弘前W邸、昨年までに基礎工事は完了し、現場では静かに春の訪れを待っている。雪が本格的に降る前に基礎が完了出来たのは何よりで、これでまともな降雪期にあたろうものならば、春までコンクリートも打てなかった事であろう。とは言え冬の工事には変わりなかったので、基礎工事業者の多大な労力と迅速な対応にはとても感謝している。
現場では静かなものだが、こちらの加工場では墨付けが盛んだ。施主奥様の生家から下ろした木材だ。これは後日、その加工の様子と共にお伝えしたい。シビアな高さの打ち合わせなど、棟梁の鳥谷部大工と綿密な打ち合わせを重ねながらの墨付けだ。この弘前W邸も高さには、とても神経を使っている。
先日打合せで弘前に伺った際に市役所に寄り、ついでに目の前にある弘前公園の冬の景色も、施主ご夫妻にご案内頂きながら、拝見してきた。弘前雪灯篭祭りが開催中で、厳寒の中、多くの観光客が訪れていた。そんな中、入口警備の方が「あそこに白サギが居るよ」と、指さして教えてくれた。雪の中の白サギ。何と綺麗な事であろう。夏場、田んぼに居るのは見かけるが、こんな真冬の豪雪地帯で白サギに出会うなど想像もしていなかったので、驚きながらも急いで写真を撮った。綺麗なフォルムの鳥である。建築もこうでありたいと想いを重ねる。
(設計:黒坂)