大山の家

「東京S邸:屋根の下では」

東京S邸、先回は屋根の養生(ようじょう)まで紹介したが、これも天気が回復した後、大きな処は葺き終えている。小屋根や下屋(げや)は、大工の進行に合わせて進められる。

中里棟梁

中里棟梁

その屋根の下では、中里棟梁が杉の磨き丸太と格闘していた。京都北山産の磨き丸太である。一見しての太さから、構造材であろう事は想像が付くであろう。結構な長物で組まれている様がお分かりになると思うが、どこに使われるかは、今はまだ伏せておく。ここの部分はこの家を象徴する、大きな要素でもあると感じているので、きっちりと取り付いた形でお伝えしたい。

杉磨き丸太

杉磨き丸太

仕口(しぐち:木と木の接合の部分)も、とても綺麗に納まっている。この丸太と丸太、あるいは丸太と自然石を合わせる事を「ひかりつけ」という。角の材料でなく、こういった丸みを相手の仕事となると、本当に時間が掛るものだが、それだけの仕事が写真から伺えるだろうか。

仕口の様子

仕口の様子

(黒坂)