東京S邸、先回は屋根の養生(ようじょう)まで紹介したが、これも天気が回復した後、大きな処は葺き終えている。小屋根や下屋(げや)は、大工の進行に合わせて進められる。
![e4b8ade9878ce6a39fe6a2814 中里棟梁](/wp/wp-content/uploads/e4b8ade9878ce6a39fe6a2814.jpg)
中里棟梁
その屋根の下では、中里棟梁が杉の磨き丸太と格闘していた。京都北山産の磨き丸太である。一見しての太さから、構造材であろう事は想像が付くであろう。結構な長物で組まれている様がお分かりになると思うが、どこに使われるかは、今はまだ伏せておく。ここの部分はこの家を象徴する、大きな要素でもあると感じているので、きっちりと取り付いた形でお伝えしたい。
![e69d89e7a3a8e3818de4b8b8e5a4aa 杉磨き丸太](/wp/wp-content/uploads/e69d89e7a3a8e3818de4b8b8e5a4aa.jpg)
杉磨き丸太
仕口(しぐち:木と木の接合の部分)も、とても綺麗に納まっている。この丸太と丸太、あるいは丸太と自然石を合わせる事を「ひかりつけ」という。角の材料でなく、こういった丸みを相手の仕事となると、本当に時間が掛るものだが、それだけの仕事が写真から伺えるだろうか。
![e4bb95e58fa3 仕口の様子](/wp/wp-content/uploads/e4bb95e58fa3.jpg)
仕口の様子
(黒坂)