大山の家

「東京S邸:屋根を伏せる」

東京S邸、梁が組み上がるとすぐに、屋根に取り掛かる。以前にも書いたが、組み上がる材が既に仕上げ材であるので、絶対に雨にあてられない。

屋根垂木

屋根垂木

普通は建前の日取りが決まると、そこに向かって工事を進めるのだろう、これが雨の中であっても。当社では、ここの現場のみならず、木材を雨にあてる事を嫌うので、一本建てと言って柱を一本だけ立てて、建て前にする事もある。屋根を伏せるまでは、兎に角、毎日の天気予報のチェックだ。材料を濡らしてしまったら、元も子もないし、何より施主に申し訳ない。そんな気持ちだ。

屋根養生(ようじょう)

屋根養生(ようじょう)

この東京S邸では、週末に雨の予報となったので、早々にシートで覆った。この辺の判断は全て、中里棟梁が下す。屋根も一見シンプルな形にみえるが、高さ制限のための下屋や小屋根の取り合いが出てくるので、屋根のルーフィング(アスファルトフェルト)も、中途にならないように早めの対処だ。実際にこれで、事なきを得る。

屋根鋼板葺き

屋根鋼板葺き

雨が過ぎ去った後に、屋根板金工事再開だ。今回の屋根屋も青森から連れていった。とても熱意のある社長さんで「やらせて貰います!」八戸でT邸のお披露目の後に設けた席の中で、そう申し出てくれた。勿論、T邸もやって頂いた屋根屋さんである。「人を組む」木の建築に学ぶ事は多い。

(黒坂)