大山の家

「東京S邸:梁組」

東京S邸、建て方(たてかた)も順調に進み、梁まで組み上がってきた。社長も現地に入っていたが、上への材料の手配りもお手伝い頂いたそうだ。これも、木の建築ならではであろう。

杉の柱に、赤松の梁、特に八角の赤松はこのブログではすっかりお馴染みだ。この十時に組まれた部屋は和室であり客間となるが、3世代が住むこの家の家族が集う場でもある。象徴的な意匠を持つので、これは後ほど紹介したい。
赤松太鼓梁

赤松太鼓梁

斜めに掛けられた梁、この梁の上からが屋根、梁下は勿論住空間になる。母屋(もや)や屋根垂木(たるき)など、これからとり付いてくるが、大きな構造はこれだけで持っている。

赤松八角削りの梁組

赤松八角削りの梁組

勿論、建築基準法を満足させるための耐力壁もあるが、壁がなくても自立する。木造建築なのだから、至極当たり前なのであるが、身近の建築を見ても、壁耐力のみへの構造依存がスタンダードになっている。コスト優先の表面的建築では、それが精一杯であろうか。

大工衆

大工衆

当社の大工では建て方に人が足りないので、応援も頼む。こちらの現場でもそうだが、建前があると自分の現場を置いて、手伝いにいく。これが昔からの慣習で、それだけ建前とは重要なものなのだ。木と共に人の心も組まれていく、施主も大いに喜んで下さっているとの事。大工衆には苦労を掛けているが、残るものは図り知れなく大きなものとなるだろう。

(黒坂)