大山の家

「東京S邸」

夏ほどから「南部赤松を東京へ」と題し載せておりましたが、中途の紹介のままでありましたので、改めてブログとして紹介させていただきます。

いよいよ実施設計図が上がり、業者への見積もり依頼の段になって、改めてお声をかけて頂いた。東京への出張仕事は、経費もそれなりにかかり、職人も泊りがけで自炊生活が続くために、正直大変なものである。それでも実施設計図を見ると俄然、挑みたくなる木造建築であり、且つ施主のS様のお人柄に惚れたと、現地を訪れた弊社社長が言っていた。

赤松八角削り

赤松八角削り

何社かの見積もり競争になり、その結果当社で請け負わせて頂く事になった。やはり、丸太を自社で手掛ける事が一番の要因なのだろう、それと「作りたい」その一念である。実施図を見た段階で辞退した会社もあったそう。

赤松平角

赤松平角

施主Sさんに改めての御挨拶のあと、足りない丸太の木集めに奔走したのは、先回に譲る。親世帯と子世帯、その子供さんの三世代が住む家。当社にも訪れて頂き、工場と展示場そしてショールームを見学頂いた。私も木材の加工過程で、工場に顔を出していた。自分の物件もあるが、やはり丸太仕事は気になるものだ。

パース

パース

刻む大工も面白いもので、細かな詳細図よりも描かれたパースを先ず頭に入れる。そうして完成形を頭にたたき込んで、詳細寸法を探っていく。設計者と大工の意志の探り合い、加工場には、常にそんな緊張感が漂っていた。

(設計:黒坂)