大山の家

「㈱大山建工の大工衆の仕事-2」

外観を見ながら、仕事をお話ししたい。この350年になる木造建築、勿論現在も使用されている。それでも地廻りの腐朽が目立つとの事で、基礎の施工と内部仕上げの改修や設備の更新を図りながらの、大改修工事である。

南外観

南外観

細かな仕事の紹介は、記事を進めながらとさせていただくが、先ずは現況の綿密な調査から始まった。当社の中里棟梁と監督が赴き、数日泊まり込みで、床下や小屋裏に潜る。

主玄関

主玄関

実際を見ながら、梁や床下の構造と継手位置を把握していく作業だ。埃まみれになりつつ、実測調査する。今では見る事のない納まりも在る。そんな処をみても、建築に対する当時の職人の意気が感じられる。今では価格が全てで、見えない処になぞ手間をかけない事が当たり前で、木造と言いながらも肝心の部分がないがしろにされ、見た目の表面の部分だけで、建築が買われている。

軒裏

軒裏

こういう仕事を見る度に、そんな事を痛切に感じるものだ。この工事の紹介ブログ記事は「木造建築」その物の理解にもなるのだろう。私自身も、勉強させて頂きながらの紹介となる。

南面

南面

青森県の当社の大工が、東京のこの地で仕事をし、この建築を前にしても臆する事なく仕事にあたっている。社員として、これ以上誇らしい事はない。

(黒坂)