地盤調査の結果で地下9mまで若干地盤が弱い事が分かっていた。施主と相談し、杭を打つ事にした。基礎に先立ち、その杭工事から着手となる。
道路も敷地も広い事があり、9m一本物の杭を搬入出来る。昔、住宅に杭を打つ事が一般的でない頃は、9mの一本物など無かった。9mだと途中で溶接して繋いだものだ。現在は責任会社の地盤調査が必須であり、そのデータにより、杭を打ったり、地盤改良したり、ベタ基礎の仕様にしたりする。一昔前とは、比較にならないほど基礎構造はしっかりした物を要求される。
ちなみに解体した建物は、同じ場所に建っていたが、普通の布基礎で杭など打っていない。それでも基礎の沈下などは見られなかった。木造住宅の全体の重量など、今も昔もそれ程変わらないのであるから、今の建築基準がどれ程上がっているかが、この一事でも分かる。
9mの層に安定した地盤が在り、そこまでの地盤層も安定した(同じN値)地層であったので、50本近い杭が一日で打設出来た。追って基礎工事となる。
(設計:黒坂)