先回ご紹介した物件を改めて紹介する。当社の八戸市田向の構造見学会にご来場いただき、当社ショールーム、常設展示場をご覧になり、当社の建築をお気に召していただき、直ぐにプラン打ち合せとなった。建築地は八戸市近郊の閑静な場所で、豊かな牧草地が南に広がり、防風林としての赤松や杉に囲まれた土地柄で、ご両親はそこで農家を営んでおられる。そのご両親と、施主のご夫婦と娘さんが、お住まいになられる住宅だ。展示場などをとても気にいられたが、そこまでの予算を掛けれない。でも大山の家が気に入ったのだ、と熱くご主人が語られていた事を思い出す。
それから打ち合わせに入り、何度かの見積りを出しながら、ご予算を配分し、木を見せる所とクロス仕上げとして、コストを抑える所などの相談を重ねた。最終的に予算内に収まり、仕上げ類も納得いただいた上で、今の着工を迎える。
家柄、来客も多く、それもごく近い方から、あらたまる来客と様々で、且つご両親とご夫婦の来客など、客間とプライベートエリアの位置関係が重要で、且つ、農家ならではの勝手口が水廻りに近いことなど、自ずと敷地関係と要求事項から室レイアウトが決定されていった。
潤沢な敷地、静かな自然風景の広がる景観、良好な日照環境など、稀に見る住環境の整った敷地条件である。このO邸のご家族の穏やかなお人柄を反映するような、ゆるやかな時間のながれる家になればと願っている。
(設計:黒坂)