大山の家

「南部赤松を東京へ」その後

先日ご紹介した東京での物件の、木材加工が盛んだ。常時5人~6人の大工で刻み加工をしている。赤松の梁と杉の柱が現在の加工の主だ。丁度、写真を撮りに寄った折に、赤松八角削りの梁にプレーナーを掛けていた。加工場内に赤松の匂いが漂う。この木の匂いを嗅ぐと、何とも言えず気分が良い。木の建築の魅力の一つだ。
赤松八角削り

赤松八角削り

写真を見ていただきたい。赤松の皮が見えるが、それを落とした杢目の綺麗なこと。この白っぽい女性の肌のような色合いが、現場に組まれ、住む程に自然に飴色に色付く。勿論、木の色を大事にしながら着色しても尚良い。

赤松太鼓

赤松太鼓

もう少し加工が進めば、地組(加工場内で借り組)に入る事になる。一本だけ、これまで紹介したことない仕上げに加工される材がある。これは、施主も知らないところだという。隅木で使われるそれは、構造的にも意匠的にもとても重要なものだ。材は既に在り、大工の手が入るのを待っている。

(設計:黒坂)