和室と言えば畳!
畳は和室にはなくてはならないアイテムの1つです。非常に汎用性が高く世界的にも類がないと言われています。畳の上に布団を敷けば寝室となり、座卓を置けば食卓や団欒の場となり、座布団を置けばおもてなしの場になります。夏は涼しく、冬は暖かく、癒し効果のあるフィトンチッド成分までも持ち合わせている超優れものです。
畳の構造は、畳床(たたみどこ)、畳表(たたみおもて)、畳縁(たたみべり)と3つに分かれます。
今回は畳床にフォーカスします。
畳床は、稲わら畳床(本畳床)、稲わらサンドイッチ畳床、建材畳床(化学床)の3種類があり、大きく分けるとわら床と化学床に分かれ、それぞれJIS規格により細かい品質規格が定められています。
それぞれのメリット、デメリットを表にしてみました。
表から読み取れるように、健康にはわら床の方が良さそうです。
畳の空気浄化作用の1つに空気中に浮遊する有害物質(ホルムアルデヒドなど)を吸着する働きがあります。頭痛やめまい、呼吸器疾患などの症状がでる「シックハウス症候群」の予防につながるほか、水虫などのカビやO-157などの細菌に対しての抗菌作用もあります。これらのことから畳の部屋は菌が繁殖しにくく、リラックス効果が高い部屋になるとも言われています。
ですが、わら床の難点となるダニの繁殖はアレルギーをお持ちの方には切実な問題となりますので、わら床も化学床もそれぞれに良いところと悪いところを踏まえて、住む方の体質、設置場所の環境、将来的な処分等に配慮し、ベストな選択をしていきたいものです。
《 ここで豆知識⑧! 》
畳部屋で勉強すると集中力が上がり成績がアップするという話を聞いたことはありませんか。
北九州市立大学の森田洋博士の研究で、小中学生を対象に算数の計算をさせる調査をした結果、畳部屋のほうが一般の教室よりも、解答数が14.4%アップしたそうです。正解率に差はなかったものの解答数が伸びたことで畳部屋における集中力持続効果が認められたと発表されています。(わら床の結果となり化学床は対象にはならないので畳を選ぶ時は注意が必要です。)
この結果は、環境の影響を受けやすい低学年になればなるほど集中力の持続が期待できるとのことで、特に集中力が切れやすい子どもに効果があるとか。昨今は和室がない家が増えていますが、ちょっとしたスペースに畳コーナーなどを設けるなどしても良さそうですよね。
薄畳や置き畳 にする場合は、い草の効果であるリラックス効果や抗菌作用などの効果を得ることはできますが、畳が持つ調湿作用やクッション性などは、「畳床」による影響が大きいため効果が得にくくなってしまいます。なので、調湿作用 を期待する場合は選択時に注意が必要です。
ここまでで大人も畳部屋だと集中力がアップするの?という疑問が湧いてきます。で、調べたところ、周囲の環境に惑わされず自分で集中できる状態をコントロールできるようになってしまった大人には効果は無いようです。
ちょっと残念です。でも、夏の暑い日に畳の上でゴロゴロすると最高に気持ちがいいので、年齢に関係なくリラックス効果は効果覿面だと思います。(かねた)