床柱とは、和室で目にする床の間に用いられる化粧柱になります。
床の間は歴史と共に用途や意味合いが変化しているようですが、昨今では掛け軸や置物、花瓶などを飾ってお客様をもてなす、おもてなしスペース(座敷飾り)が主な役割となっています。化粧柱である床柱は、その一役を担っており、意匠的な意味合いが大きいことから、材質や木目など見た目が美しい材が多く使われます。
木が好きな方は、床柱に興味を持たれる方も少なくありません。お客様をお通しした際に床柱について会話が弾む事があれば素敵なおもてなしの一つと言えるのではないでしょうか。
《 ここで豆知識⑥! 》
床の間には「本勝手(ほんがって)、右勝手(みぎがって)」と「逆勝手(ぎゃくがって)、左勝手(ひだりがって)」があります。床の間に向かって左側に書院を設け、右側に床脇を設けたものが正式で、「本床(本勝手、右勝手)」と言い、その逆を「逆床(逆勝手、左勝手)」と言います。(これは建築士の試験にも出たことがあるので、目指している方は覚えておくと役に立つかも・・・です。)
「本勝手」と言われる向かって左側に書院がある多くは向かって右側に床柱があります。その逆の「逆勝手」の多くは向かって左側に床柱があります。近年は、書院も床柱もない床の間も増えており勝手がわかりにくい場合がありますが、その場合は採光側を書院側とみたてます。例えば、床の間に向かって左側から光が入るのであれば、「本床(本勝手、右勝手)」となります。
そして、床柱側が下座となる場合が多いです。反対側の書院や採光側が「上座」となるからです。ただ、下座は窓から見える景色やエアコンの風、強い日差しなど、その他の要因で変えることもあるため、あくまでも目安の考え方となりますが、お客様をおもてなしする上での豆知識として覚えておくと、そこそこ役に立つかと思います。(かねた)