大山の家

「ショールームその2」

打ち合わせコーナーとの隔て、良く見るとケヤキが立っている。これは、当社が丸太を扱えるからこそで、場にそぐわないが、ここに立てている。無垢の木も、貼り物の木も、製材されたものは一般の方々には同じにみえるとの声を聞き、ならばと丸太を落としたままのこれを持ってきた。

打ち合わせコーナー

打ち合わせコーナー

あまり良い木ではない。節や割れ、皮もついているが、見る方はその大きさに圧倒される。これが当社の土場に丸太で積まれている様は圧巻で、ショールームなどより、説得力があるのも事実だ。

小間、貴人口

小間、貴人口

綺麗なショールームや展示場は世の中に数多有る。こうやって自社で木を買い、自社で加工し、自社の人間で建てる所は少ない。木が身近でなくなり、商品になった一因は、この辺りにもあるのだろう。

ロフト

ロフト

それでも、本物は本物として醸すものだ。仕上げはその表面しか見えないものだが、厚みはその表面から感じることが出来る。適材を適所に、本物の木をそこに在るようにおさめたい。これ見よがしではない、抑制された中に活かしていくのも本物の技術。本当に難しいものだ。

(設計:黒坂)