打ち合わせコーナーとの隔て、良く見るとケヤキが立っている。これは、当社が丸太を扱えるからこそで、場にそぐわないが、ここに立てている。無垢の木も、貼り物の木も、製材されたものは一般の方々には同じにみえるとの声を聞き、ならばと丸太を落としたままのこれを持ってきた。
![e68993e381a1e59088e3828fe3819be382b3e383bce3838ae383bc1 打ち合わせコーナー](/wp/wp-content/uploads/e68993e381a1e59088e3828fe3819be382b3e383bce3838ae383bc1.jpg)
打ち合わせコーナー
あまり良い木ではない。節や割れ、皮もついているが、見る方はその大きさに圧倒される。これが当社の土場に丸太で積まれている様は圧巻で、ショールームなどより、説得力があるのも事実だ。
![e5b08fe99693e38081e8b2b4e4babae58fa31 小間、貴人口](/wp/wp-content/uploads/e5b08fe99693e38081e8b2b4e4babae58fa31.jpg)
小間、貴人口
綺麗なショールームや展示場は世の中に数多有る。こうやって自社で木を買い、自社で加工し、自社の人間で建てる所は少ない。木が身近でなくなり、商品になった一因は、この辺りにもあるのだろう。
![e383ade38395e38388 ロフト](/wp/wp-content/uploads/e383ade38395e38388.jpg)
ロフト
それでも、本物は本物として醸すものだ。仕上げはその表面しか見えないものだが、厚みはその表面から感じることが出来る。適材を適所に、本物の木をそこに在るようにおさめたい。これ見よがしではない、抑制された中に活かしていくのも本物の技術。本当に難しいものだ。
(設計:黒坂)