大山の家

無垢の木とフィトンチッド

当社は無垢の木をメインとした家を多く建てています。
使用している無垢材(無垢の木)は、50年以上成長した木はもちろんのこと、100年、150年、200年以上成長した木も多く使用しています。無垢材とは、一本の原木から角材や板材を直接必要な寸法に切り出したものをいい、化学物質を含まない素材になります。自然のままの素材ですので、木が本来持つ良さもそうでないところもすべて持ち合わせています。
木の持つ良さの中に「フィトンチッド」があります。私達人間に癒し効果を与えてくれる成分の一つです。木の家の中に入ると何とも言えない心地良さ味わうことができるのは、この影響もあると言われています。まさに見てよし、嗅いでよし、住んでよしの立役者的存在ではないでしょうか。

下記写真の住宅は、150年以上の杉や赤松を構造材・床材・天井材・階段材などに使用しています。まさに無垢材の宝庫です。

《ここで豆知識②!》
「フィトンチッド」とは、木の香り成分になります。樹木が発する化学物質のことで、1930年にロシアのポリス・トーキン博士によって発見されています。「フィトン」=「植物」、「チッド」=「殺す」で、つまりは「植物が出している毒」という意味です。木は、植物にとっての天敵のひとつであるカビや細菌などの微生物から身を守るための手段としてこの成分を発しているようです。

ここまで聞くと、これって人間にとって毒なのでは?という疑問が生まれます。確かにものすごく高い濃度の「フィトンチッド」を吸うと毒になるようですが、森の中に漂っている濃度は微量で人体に問題がないどころか、逆にいい効果を発する事が多いと言われています。その効果とはさまざまで、除菌・抗菌・消臭の他に人間が「フィトンチッド」を吸うと「コルチゾール」というストレスホルモンの分泌が抑えられ精神が安定するという、リラックス効果が現れるようです。近年の研究では、がん細胞やウイルスを攻撃する細胞が増えたり活性化したりする結果も出ているとのことで、これまでの多くのウイルス対策に加え、新型コロナウイルス不活性化への期待を込めながら、アロマオイルや溶液など多方面での研究が日々進められているようです。

日常的にアロマオイルや溶液などを身近に置いておくことはとてもいい事だと思います。でも、この「フィトンチッド」は、伐採され製材された木材となっても放出され続けます。なので、もし家が、部屋が無垢材でできた空間であるならば、特に意識をしなくても普通に生活しているだけで触れることが出来、吸うことが出来、その空間に居るだけで恩恵を受けることができることになります。これってすごいことですよね。

時に、無垢材にこだわらなくても合板だって効果があるよ!という方もいます。確かに合板にも木が使われているため、大小は別にして効果はあるのかもしれません。しかし合板や張り物には、木の他にたくさんの接着剤も使用されています。「フィトンチッド」には、アレルギー物質を緩和する働きもあるため、接着剤が持つ揮発性成分を緩和してくれるのかもしれません。ですが、無垢材であれば人工的な成分が含まれていないため、緩和という作業は必要なく、まるまるいいところをいただくことが出来ちゃいます。
ということは、生活しているだけで毎日ちょっと得した気分になる・・・と考えてしまうのは私だけでしょうか。(かねた)