大山の家

八角形の梁

現在、本社の作業場では、今年着工予定住宅の部材加工に着手しています。
その中で目を引くのが当社の売りであり、職人の技が光る八角形の梁です。なぜ八角形にするかというと丸太は自然の形、四角断面は人工的な形、その中間の造形とするためです。また樹芯を持つため乾燥に伴う捻れで辺材部分の貫通割れを防ぐために形を整える必要性もあり、それは強度にも関わっています。
強度が保たれて且つ意匠的にも美しさが増すのはいいですよね。材種は県産材の赤松または杉を使用しています。

撮影した日は作業場で職人さんが木の特性を見極めながら八角形に形を整えていました。
整えられた梁は、きれいな木目が現れて味わい深いものとなっています。


節が多い梁と少ない梁があり、どちらも甲乙つけがたいです。

≪ここで豆知識①!≫
よく節がある木材は強度が弱いと思ってらっしゃる方がいますが、生きている節であれば問題ないですし、無垢の木を使用している証です。
ホント?と疑問に思われた方もいると思います。確かに木の節の部分は、木の成長が均等ではないため強度が下がると言う方もいますが、一方で節がある周辺は繊維が密になり非常に硬く、強度も強くなると言う方もいます。
じゃあどっちなの?となると、国が定めているJAS規格(日本農林規格)では節について、材面における欠けや傷および穴(抜け節(死に節ともいう)、集中節)の基準は設けていますが、それ以外の基準は設けていません。 なので、生きている節かつ集中してない節であれば強度に問題はないと言えます。

職人さんは、加工時に節が集中していないか、重要箇所に節が存在していないか、死に節が入ってはいないかなど、いろいろな知識を持ってチェックしながら、八角形の梁を作り上げていきます。
なので、安心して使用できます。そればかりか木材のいい味が出ていて、長時間眺めていても飽きないものになるんだなと改めて思います。

もちろん集成材の化粧梁を否定するわけではありませんが、集成材そのものが人工的な要素を持っているため化粧梁として用いるには何か味気ない気がします。せっかく見せるのであれば無垢の木の方が本物・・・という気がしますし、木の美しさを見ることで、穏やかな気持ちになれるように思います。
地元で育った木材は気候風土もあっていますし、地域の活性化にも少なからず貢献できていると思います。しかも、接着剤等の人工的なものが含まれていないことを考えると、身体に優しく小さな子供から年配の方まで安心して家の中で過ごすことができる家になり、いいことがありそうな気分になります。と、あくまでも個人的な感想でした。(かねた)