大山の家

「赤松」

赤松を使う現場が増えている。クセのある木ではあるが、この木でしか出せない味わいがあるので、広く知れてきた事に、嬉しさを感じる。横架材として、梁や桁には用いてきたが、仕上げ材として、ここまで使うようになったのは、本当にここ数年だ。割れや捩れや縮みが生じ、それがクレームとして寄せられ思うように使えなかった事を思うと、無垢材、本物の木というものが受け入れられてきた証拠でもあるのだろう。とても嬉しい。
階段框

階段框

「あおもり産木造住宅コンテスト、最優秀賞受賞 K邸」では、施主自らが当社の加工場に足繁く通われ、ご自分の好みを如何なく発揮されたのは、以前紹介した。どうしても我々はきちっと製材したものしか使えないものだったが、このような丸身をそのまま魅せる、その熱意を汲んで、意匠として仕上げていった棟梁。この現場でまた一つ懐が深くなったのも、施主K様のお陰である。

玄関

玄関

このお宅はテレビでも紹介されたが、それを見た方が「自分もこういう家に住みたい」と来て下さっている。それでもやはり、全く同じには造れない。木それぞれに違うものであるからで、棟梁曰く「その家に向く」という。探し求める当社と待ち望む施主。その思いを汲むように木材が現れる間隔を覚える。

玄関ホール

玄関ホール

この南部赤松。東京方面でオファーがあった現場にも持っていく。それぞれに合う赤松を求め、中里棟梁は木集めに奔走中だ。追って紹介したい。

(設計:黒坂)