大山の家

「技が支える木の住まい」水のある風景

八戸市田向(たむかい)の「技が支える木の住まい」外構工事もあと少しだ。

玄関から滝口を望む

玄関から滝口を望む

詳細図を基に施工図をあげ、現場で石の寸法で割りながら墨を出した。石割は上手く出来た。ただ搬入された石の加工で、細かなディティールの部分が要望した内容と違うものが現場に入っていた。

二の橋

二の橋

施主の要望であったのだが、これがこれまで積み上げてきた意匠に適うかがとても心配であった。私自身、都合でここの処、現場に行けていないので尚更である。

一の橋(3㎝の高低差を円弧で繋ぐ)

一の橋(3㎝の高低差を円弧で繋ぐ)

「割肌も、池の周りだけの方が重みが出ましたが、まあ充分な展開が構築できたよう、うまくいったね!」とのお返事。ほっと胸をなでおろした。ついで、残りの植栽についての細かな指示が届いたので、早速手配する。それは追って報告したい。

せせらぎ

せせらぎ

人に近い処に水を活かす。それは自然の摂理に逆らわずに作っていく。せせらぎの深さも、そよそよと手じかにあってこそのせせらぎで、ミリ単位の精度を要求されていた。せせらぎの落とし口も同じ。落差は音も伴う。静謐を求める処と、奏でる処。何気な自然に学ぶ事は多い。

池への落とし口(静かに流れこむ)

池への落とし口(静かに流れこむ)

決して「和」に拘泥することなく、モダンにまとめ、その中に「和」が醸される。そんな建築であるからこそ、水を伴う意匠は難しい。良いとは言ってもらえたが、反省すべき事を思い返す。水ものとはよく言ったものだ。

(設計:黒坂)