大山の家

技が支える木の住まい「外構工事」

八戸市田向の木の住まい、内覧会の最中であるが外構工事の残りを進めている。

八戸地域での住宅建築では、家だけを建て余裕が出てから、植栽などの外構をやる事が殆どと思う。この家では外構と植栽も住む前に造りこむ。この建築を生かすのも外構と植栽で、言い換えればこれらを含めたトータルで晴れて建築空間となる。

御影石の割り肌

御影石の割り肌

石を多用する現場でもあるので、ここにも石を立てた。これは御影石の割り肌のスラブ材だ。スラブというのは一枚の大判の石をさす。御影石、普通は磨いて花崗岩独特の結晶を見せるが、こうやって自然な割り肌の表情も実に良い。軽いものではないので据付は大変だ。それこそ熟練の技を要する。

南西より望む

南西より望む

植栽も同時に進めている。本当に緑は建築を引き立たせる。しかし、樹木が思ったより小さいのだ。大きくなれば運搬の費用が嵩み、特に寒冷地では根付かないリスクが大きい。自然、小ぶりなものが入ってくるのであるが、これでは折角の建築が死んでしまう。

玄関アプローチより

玄関アプローチより

「皆さんももう少し樹木を勉強されないと、製材の木ばかりでは建築は出来ません」おっしゃる通りである。私も自宅で樹木を植えているが、適期を逃すと根付かず、環境が合わず一年目の冬を越せず枯れるものもある。ここ寒冷地で、見えるまでに根付いて枝を張るまで5年程だろうか。家と共に成長していく事を願うばかりだ。

(設計:黒坂)