八戸市田向(たむかい)の木の住まい、完成である。
細かな納まりの是正、建具や家具の調子、什器の配置、最後は照明の調整だ。「思った建築になったよ!」と、言っていただけ現場に居合わせた職人含め、ホッと安堵の表情を見せた。私自身も緊張がほぐれ、夜の食事をご一緒させて頂きながら、建築話に花が咲いた。
ここ数日、天候が安定していないが日中晴れ間がのぞいた。何かの暗示だろうか、気持ちも晴れ晴れとする。
夕暮れてから照明の具合を調整した。思った以上に間接照明のバウンスが効いて明るい。この照明も室内全部が同じ照度で計画されると詰らないものとなる。陰と明、色温度、その具合の妙だ。調整し終わったあと、皆、言葉も発せず、しばし空間を見渡していた。
外との連なり、閉じるべき処、開ける処、設計の妙とでも言うのだろうか、常々そう感じる。外構は未完成であるが、建物は完成した。木集めに始まり、施工に携わった職人の技の集大成である。是非その目でご覧いただきたい。4月25日~5月6日、完成見学会開催である。
(設計:黒坂)