八戸市田向の木の住まい、障子の合せを。
今日の現場の状況である。建具職人が障子を合わせていた。先回の記事で杉の赤身の話を載せたが、これがその赤身の杉である。
柱と合わせた処も見て頂きたい。決して着色している訳でなく、自然の色だ。柱の白汰の処も数年で色が出て、馴染むものとなる。
お気づきだろうか?障子と言っても障子紙はまだ張っていない。框(かまち)を合せ、建ちをみた後、持ち帰り紙を張る。これが本来だ。今では紙を張った障子を持ち込み、合わせて終わりとするだろう。手間と時間、コストを省くためだが、手間をかけた仕事は完成後も訴えるものと思う。
襖もご覧いただこう。普段目にする、ツルッとした塗り仕上げのものとは違う。普段は杉で造りカシューを塗るのが一般的と思うが、写真のように木の目が活きている。これは栓(セン)だ。これも、現場で合せた後、襖紙を張る。
完成は見学会でご覧頂きたい。決して大きい家ではないが、訴えるものは多い筈だ。この職人の仕事を感じて欲しい、そう願ってやまない。
(設計:黒坂)