大山の家

技が支える木の住まい「建具編その1」

八戸市田向の木の住まい、職人の仕事。今回は建具を。。。

これまで建物内部の写真も載せてきたが、工事途中なので勿論内部建具は付いていない。現在製作中だ。建具、建築の中で普段最も手にする処ではないだろうか。また、この建具如何で建築の出来栄えも大きく左右される。この建具も詳細な図面が届き、それを元に製作されている。この現場は十和田市の畑山木工所にあたらせている。

杉の框

杉の框

これは杉の引戸だ。今回、構造材の杉や赤松に程好いものが入っているので、建具も材料が吟味される。ご覧いただいて分かるだろうか。赤身の柾目である。この木目も取り合う柱や、その室に向けている目をみて決定される。こちらもくどい位に注文したが、この建具の木を見て杉材には安心した。

障子の枘

障子の枘

この写真は何かお分かりになるだろうか。これは障子の桟になる。枘(ほぞ)の部分だ。直径6㎜ほどだが、框の枘穴に刺すこの部分は、入れ易いようにこのように先に面が取られる。障子は桟の厚みや割付で、その室に及ぼす空気は違うものとなる。「1㎜以下の格闘」鉋くずを見ていると、まさにそう思う。

障子の桟

障子の桟

この桟が同じ杉の框に組まれ、障子紙が貼られる。現代の家は断熱サッシュの内側に付けられるので、窓側と室内側に温度差が生じ、自然に反ってくるものである。1年程を置き、動ききったら手を掛ける。これで晴れて完成となる。

鉋掛け

鉋掛け

鋸(のこ)や鉋(かんな)名前は同じでも、大工の道具とは微妙に形や大きさが違う。また、それらを見ていると職人が如何に道具を大切にしているかが分かる。逆の言い方をすれば、道具を見ると腕が見える。職人とは仕事に生きる人達である。

(設計:黒坂)