弘前W邸でのエピソードを。
W邸ご夫妻、小学生の子供さんをお持ちだ。姉と弟の二人姉弟である。本を読む事が好きな家族であり、テレビを見ることなく本を読んだり、将棋や囲碁を楽しまれている。我家とは正反対だ(笑)。そんな子供達にも、設計にあたって当然意見を伺っていた。それを文章として頂いていたので、その一部を紹介したい。
先ずはお姉さんの希望の一部を。「わたしは、新しい家で、バレエのストレッチやバーレッスンなどをやりたいです。だから、広くてバーのついているスペースをお父さんに考えてもらっています。(^^)それと、庭に自分たちだけの公園らしきもの(ブランコだけ)がほしいです。お父さん、黒坂さん、よろしくお願いします。」
2階のホールを大きく採り、天井も屋根組みを見せながら勾配を見せる空間を設けた。ここはそのまま自分の部屋(子供室)に繋がる。高窓とし採光を採りながら、近隣の視線を気にする事がないよう心掛けた。
敷地の関係上、贅沢な庭は取れないが植栽スペースはある。ブランコも置けるだろう。それだけでは寂しいので、外と内の中間となる空間を用意している。屋内であるが靴のまま、そのまま外に行ける。休日の食事や、バーベキュー、園芸の鉢植え作業などを想定している。キッチンにも隣接したこの空間、どう使われていくのか楽しみである。
(設計:黒坂)