大山の家

新むつ旅館 改修工事

まだ八戸は梅雨入りをしておらず、心地よい風を浴びながら初夏を感じる今日この頃で御座います。

今回、八戸市小中野と言う地域にある「新むつ旅館」と言う建物を一部改修させて頂きました。この旅館は明治時代から創業し115年が経過した、大変貴重な建物で国の有形文化財に指定されている。

新むつ旅館 現場説明する大村監督

新むつ旅館 現場説明する大村監督

内部

内部

現場説明会に際し挨拶する大山社長

現場説明会に際し挨拶する大山社長

 

俳優の豊川悦司氏が映画の撮影で訪れたと言う事もあり、県外から多くの方が訪れるとの事です。戦前は150人以上の芸者や見習いの半玉がおり、東北一の遊郭として君臨していました。漁業の衰退や遊郭の規制により今はその当時の賑わいぶりを想像することは難しい状態です。

DSC_9447今回は屋根、南側の外壁、屋内の補強、土間・基礎の補強、外構に手を入れさせて頂きました。改修する中で驚いたことは、外壁の改修の際、基礎を確認させて頂いたのだが、そこには筋違が施されていました。何が驚くかと言うと、基礎に筋かいが入れられたのは関東大震災後の大正12年頃からなのですが、明治時代から筋違が入っているのは日本の中でもまれなため、この建物が建てられた当時、最新の技術を施し施工されたことが解ります。

それが東京や仙台の建物ではなく、八戸の建物と言う事に驚きます。

外壁 改修部分

外壁 改修部分

華の釘隠し

華の釘隠し

 

釘隠は、鶴や花の形が模られ当時の華やかさを垣間見れます。今後、外壁の正面を改修する予定ですが正面の改修は手間がかかり、なかなか手を付けることが困難です。庇の鼻隠しの意匠には、鱗紋や七宝と呼ばれる独特なものが使われておりますし、鏡戸はケヤキの一枚板が使われています。

庇の鼻隠 七宝

庇の鼻隠 七宝

庇の鼻隠し 鱗紋

庇の鼻隠し 鱗紋

歴史を現代に語ってくれる建物。その手助けに当社が携われたことは本当に嬉しく思います。今後も地域の為に当社が出来ることを行っていきたいと思います。

現場説明をする若松棟梁

現場説明をする若松棟梁

(大山 慎司)