大山の家

「弘前W邸-和庭」

昨年の秋に写真を撮り、紹介しようと思っておりましたが、更新が滞っておりました。

時節も逸しておりますが、弘前W邸の全工事完了後の紹介をしたい。

別件で弘前に行った折、久し振りに弘前W邸に寄ってみた。

実に久し振りの訪問であったが、住宅の完成後に車庫と門などの外構を作り、その後に和室前と西側の菜園に着手したのだが、

その後の植物の根付き具合が気になっていたのと、土も植物も落ち着いてきた姿を見、写真に収めたい事もあっての訪問であった。

玄関アプローチより和庭を望む

玄関アプローチより和庭を望む

お世話になった藤崎園芸の兵藤氏が折々に訪れ、手入れをして下さっていた事もあり、私などの心配などもよそに、

それは落ち着いた庭となり、植物も枯れる事なく、その姿を見せてくれていた。

車庫や門が出来ると搬入出来ない木は、先に運んで置いて仮植えしていたのだが、子供さん方の記念樹でもあるそれらは、

庭に溶け込みすくすくと育っていた。

現場に搬入しての仮植え、全建築完了後の外構と庭の造成に伴う本植え。

日照条件や風の通り具合、根の活着具合など、記念樹であるだけに気に掛けていたのだが、

すべて兵藤氏のお力沿えの賜物であり、心から感謝する次第である。

和庭のスペースは間口4.5mの奥行き3.3m程の小さなものであるが、無理を言って踏石を並べて貰い、

伊勢砂利を敷き、玉竜や苔をあしらい、竹垣や筧は兵藤氏の手による。

門を潜っての玄関アプローチからの眺め、和庭からの眺め、1時間ほど写真を撮っていたが、

このスペースで実に奥行きのある庭になったと感激した。

写真を撮る合間には踏石に腰掛け、植物や石や苔を眺め、我が庭のような錯覚も憶えた。

俯瞰

俯瞰

和庭は客をもてなすための外部空間とすると、プライベートなリビングに面する西庭は、

奥様のガーデンスペースであり、種々の野菜や花が咲き乱れている。

西日を避けるために、二階の子供室窓に向かって、アサガオを植え、当時はそれが二階窓まで達していた。

この面の採光を気にしていたのだが、アサガオも成長していた事で、上手く隣接の建物をかわして陽も差している事が伺えた。

季節季節の野菜やハーブ類、これがそのまま食卓に上る。

実に多様な植物が植えられ、食卓に彩りを添える。贅沢とは違う自然の恵み、羨ましくも憧れである。

残念だったのが、道路側の花壇に植えていたカシワバアジサイが盗まれたとの事。

ある日気付いたらば、抜き取られていったと、奥様が嘆いておられた。

これは新築の折に、私が自宅に植えてたものを、株分けして差し上げたものであったが、

折角なのでまた差し芽をして、お持ちしようと思っている。

永らく紹介が滞っておりました、弘前W邸の全工事完了の報告。

これで区切りとさせて頂きますが、打合せ期間から全工事完成に至る5年あまりの歳月。

これだけの時間を掛け熟成させた建築は私自身も過去になく

思い入れの深い建築の一つであり、一つのステップを越えれたような感慨を持っての結びとしたい。

門内を望む

門内を望む

滞りがちでありました当ブログも、大山慎司の加入で、また違った視点で建築を

お届け出来ると思います。

今後ともスタッフブログを御一読下さればと、お願い申し上げます。

(設計:黒坂)