大山の家

「5カ月」

前回の自分のブログ記事UPから、丁度5カ月。それ程までに時間が経過していたかと、反省でありました。日本の復興の事もありますが、これからの仕事の事など、不安ばかりが募る震災後でしたが、同じ震災に遭われた方々の力強く前に進もうとする姿に会い、それにとても勇気づけられ、また仕事も頂戴しながら今に至っております。その間に建築:大山聡が担当しました「料亭嵯峨野」の工事も無事に終え、こうしてご紹介に至る事が出来る事に深い感慨を覚えます。

STAFFブログと称しつつ、私の個人ブログと化しておりましたが、こうして大山の家スタッフが自分の担当した建築を紹介して行ける事も、同じスタッフとして楽しみであります。

杉八角削りの登梁

杉八角削りの登梁

丁度、震災に重なってしまいましたが、完成見学会を催した住宅。私自身、過去最長の長さの登り梁で、長物を得るためと、どうしても杉丸太を使いたくて、杉の9m物の梁を渡らせた構造。敷桁も杉の八角削りで整え、渡り腮(わたりあご)で組んだこの構造が、しっかりと大空間を支え、揺れに耐えた事にも、日本の伝統技術の深さを見た思いでした。

杉であるので綺麗に通った木理(もくり)。根際のすっとなだらかなラインもまた杉ならではで、今後も使っていきたい材であると確信するものでした。ここ近年の当社の建築では、建具枠や和室の柱にも杉を使い、この杉だからこそ得られる木目に、住まわれる施主もまた魅了されている事実。津軽の地でも「弘前W邸」で、杉で作った和室が受け入れられた事を思うと、県内でも有数の保有量を持つ杉に、魅力を感じずにはいられません。

1階と2階が屋根勾配なりに繋がる

1階と2階が屋根勾配なりに繋がる

こうして丸太を使った建築は、どうしても通常より若干の金額が上がってしまうものですが、吹抜けが無い空間の室でも杉で枠を入れ、幅木などの造作にも杉を使うだけで、随分と活きた建築になるもの。そんな普段我々が作っている住宅も、お伝えしていきたいと思っております。

改めまして、よろしくお願い申し上げます。

(設計:黒坂)