大山の家

「北海道M邸:造作」

この処のブログ更新も滞り、お詫び申し上げます。建築確認申請と実施設計図、プラン図面や出張が重なり、一日の大部分を建築に充てている状況ですが、各現場も進んでいるので、進捗報告と併せ、これまでを取り戻したいと思っております。

ヒバ格天井

ヒバ格天井

北海道M邸、内外部共に造作も進み、仕上げを待つ状況になりつつある。ヒバが尊ばれる地域柄とは先回に記した通りで、天井もヒバの格天井で組んでいる。この処、格天井は杉でばかり作っていたが、久し振りに見るヒバの板も、中々に良いものだと再認識する。写真は、玄関の天井。玄関からホールと、ヒバの格天井で続き、建具はヒバとケヤキで作る事で打合せてきた。建具で、建物の印象はがらりと変わるので、楽しみな部分でもあり、緊張する部分でもある。

階段造作

階段造作

階段はケヤキ、晒しの階段になる。あたっているのは前田容伴大工。自信棟梁もこなすが、この現場は中里大工が棟梁なので、脇棟梁となり難しい造作をこなしてくれている。前田大工とは、県の工事で萱葺屋根の古民家の移築復元工事を、私が現場代理人で担当した時に、棟梁に入って貰った。初めて見る小屋組や、ホケというのであるが垂木の独特の納めなど、自分の経験から色々と教えてくれた大工で、8カ月間をそこの現場で共にした。気温氷点下10度にもなった、冬の山中での工事であったのは、今では良い思い出だ。

和室

和室

写真のケヤキの室は和室になる。家の中心に座り、床の間と床脇を備え、客間として、リビングの続き間として機能する。施主自らが北海道内で探し求めた、尺角(30㎝角)のイチイが床柱になる。合わせる床框や落し掛は、社長大山が自ら合わせる事にしており、何の木を充てたかは私もまだ敢えて聞かずに完成を楽しみにしている部分だ。

足場も外れ、外部も仕上げに入っている。これまで紹介して来た建築とは随分と違う建築であるのは、初回にも記している。完成と共に、外部は紹介したい。

(設計:黒坂)