大山の家

「軽米T邸:着工」

御夫婦と子供さん二人、そして御主人の両親の家である。場所は岩手県軽米町(かるまいまち)。農業と林業が盛んな町で、江戸の頃には八戸藩の鉄の採掘場もあり、その遺構も現存する。そんな軽米町で親子で林業と緑化工事を営む家で、奥様含めてとにかく明るく、趣味に仕事に実に多彩な御家族である。毎回の打合せも、住宅の設計の話しよりも脱線している時間が多く、時間が経つのも忘れてしまう。そんな明るい御家族だ。

南側の景色

南側の景色

奥様が、当社の事をいたくお気に召して頂いた事がきっかけとなり、完成住宅見学会にお出でになったり、常設展示場、八戸ショールームにも何度も足を運んで頂いていた。営業は中村が担当し、プランに入る時から私もお会いし今に至る。

西側の景色

西側の景色

今お住まいの住宅を解体し、そこにまた新築する建替え工事であった。建築場所の隣に物置兼住居もあったので、建築現場の隣の借住まいで過ごしながら、現場の経過をご覧になられている。写真のように、周りを自然の景色に囲まれた、羨ましい限りの眺めだ。御本人達は「普段、山に入って仕事しているので、景色とかこだわらない」と言っていたが、あえて積極的に景色を見せるように、当初から計画していた。開けた方角に大きな窓を積極的に配し、家具のレイアウトもそちらに向ける。自然な視線が、この山の稜線へと向くようにしている。特に2階の御夫婦の寝室からは、吹抜け越しにこれが良く見える。ここには大きめの嵌め殺し窓を並べているので、壁が出来て、景色として切り取られた時にどう見えるのかが、今から楽しみである。

2階吹抜け

2階吹抜け

「趣味に仕事に実に多彩な御家族である。」と冒頭に記した。親御さんからも是非にと記載を頼まれた事もある。それらは少しづつ紹介していこうと思う。そんな軽米T邸、現在基礎工事が完了し建方に入っている。仕事の進捗と併せて、家造りの事、このご家族の事を紹介していく。

(設計:黒坂)