大山の家

「北海道M邸:上棟」

北海道M邸、基礎工事も完了し上棟式を終えた。昨年暮れより木材準備に入り、ストックしていたケヤキの丸太も全てこの家に向けている。北海道ではヒバで作られた家を最上とするのだという。土台や柱、勿論造作材もヒバを使い、要所の部分には尺物(30㎝)の柱や平物の梁をケヤキで作っている。ケヤキを使ったからには、この大きな材が全て見えてくる事は想像出来るであろう。追って紹介していきたい。

加工場にあった材料の一部

加工場にあった材料の一部

この建築のためと、弘前W邸で使うために、かなりの本数のヒバ丸太が入っていたのだが、これらが物の見事に加工され、現場に運ばれた後は、流石に加工場も閑散としていた。加工場に、ヒバの香りがたちこめて居た時を思い返す。

先日、現地に打合せと、現場確認のために北海道に行ってきた。今年は暑い夏であるが、さすがに北海道、その涼しさを実感する。写真からも解るように、現場も広々とした敷地に余裕があるので、仕事をしている大工も「今までの出張仕事の中で、仕事がしやすい場所だ」と喜んでいた。

車寄せ

車寄せ

暫し悩まれていた、格天井となる玄関からホール部分を、ケヤキにするかヒバにするかも決めてきた。併せて建具屋も同行させたので、建具材種も決めてきた。構造に合せ、建具もヒバとケヤキで作る事になる。それらも、進捗に合せて報告したい。

南東側外観

南東側外観

「大山建工というより、中里さん、あなたに頼んだのだ」とは、御主人の談。それ程までに、中里棟梁の人柄と技術に惚れこんでくれている。なので現場の納まりや取り合いも「棟梁が良ければ、それで良いよ」と言ってくれる。勿論、任せきりでなしに、要所は確認して頂くのであるが、人と人の繋がり、その大切さを改めて知る、北海道出張である。

(設計:黒坂)